花と女 2

バラ

今までの人生で、ずっと花を扱ってきて、バラは人の好みを超える存在感だなあとつくづく思う。

あの子綺麗だよね!と共感を求められて、えータイプじゃないけどねー!なんて会話に、あんたのタイプかどうかは聞いてない、と言いたくなるような絶対的な美しさがある。綺麗な上にトゲまであるなんて、最強な気がする。顔がいいのに頭もいい、みたいな。

という私も、バラはあんまり好きじゃなかった。初めて、圧倒的な美しさを感じたのは、二十歳の時にパパメイアンという品種のバラをもらったときだ。それも一輪だけ。あまりにも綺麗で、調べたのを覚えている。これが黒バラというものかあと。吸い込まれるような深い紅。1963年にフランスの有名な育種家アラン・メイアンが生み出したものだそう。彼の祖父の愛称がパパメイアン。香りも強く、トゲも大きい、一本で十分なギフトになる。

1000以上の種類があるバラ。19世紀の初め頃から品種改良が行われ、日本では大正時代に切花用のバラの栽培が始められた。一番、剣弁高芯咲きの品種が高貴な気がするけど、ガーデニングが流行ったことも影響して、カップ咲き、ロゼット咲き、なども人気が高い。

私がつい買ってしまうバラは、白ではやはりメジャーなアバランチェ。赤ではサムライやアマダ。どうしようもなく懐かしい感じがするのがテナチュール、なぜだか母の色だと思う。これ以上可愛いものはないという色合いのジュミリア。エクレールやスプレーウィットはアレンジで本当にいい働きをしてくれる。

バラが好き、というと典型的すぎて、恥ずかしい気持ちになるけど、やはり美しいものは美しい。そして香りもいい。薬効まであって、何と言っても、長く持つ。最後は萼ギリギリの所で切って水に浮かべると、もうダメだと思ってた花があと数日、綺麗なままでいてくれる。ドライフラワーにしてもキレイで、赤は赤のまま、黄は黄色のまま、色持ちもいい。薔薇。漢字まで難しい。

こんな強くて、綺麗で、匂いも良く、誰かの薬にもなって、枯れても美しく、最後の時まで色を失わない、バラに勝てる女がいるのだろうか。そんなことを考えながら、今日も敬意を込めて、トゲを、器具を使わずひとつづつハサミでとっている。。

About Yumiko Kobayashi

YumikoK
フェリス女学院大学文学部卒業後、モデル、航空会社勤務を経て 2000年に結婚。現在、二児の母。
幼い頃から、華道師範の祖母、書道師範の母のもと、日本文化に触れ、日本華道古流、青山着物学院着付師範等を修得。また、学生時代からのモデルの経験を生かし、ウォーキングインストラクターの資格を修得。2008年に家業、家名を引き継ぎ、日本文化教室daiganteiを設立。美しい日本女性をつくるお手伝いを少しでも担えたらと日々邁進中。

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